自作CNCのテーブルについて

自作CNCで材料を固定する加工テーブルは材料をどのように固定するかによって様々な選択肢があります。
メーカーの数百万円~数千万円する工作機械やマシニングセンタでは、専用のクランプなどの治具、そして治具を取り付けるための穴があいた金属製のテーブルが多い印象です。

自作CNCではそこまでのものは必要なく、固定も両面テープか簡易的なクランプが主ですので
ホームセンターで板をカットして取り付けることで加工テーブルにすることができます。

目次

捨て板について(大事

加工テーブルに直接材料を固定して加工することもできますが、材料とテーブルの間に傷ついてもいい板を挟むことでテーブルが破損することを防ぐことができます。

私は板を切り抜くときは3mm程度の薄いMDF板
両面加工をする場合は位置決めピンの穴も捨て板に開けるので、厚み12mmのベニヤ板
を捨て板として両面テープで貼り付けてから、その上に材料を固定。

捨て板を傷つけずに加工ができればラッキー、傷ついた場合は傷のバリを紙やすりでごまかして再利用。
傷だらけ穴だらけになってきたら交換しています。


テーブルとして使えるもの(オススメ順)

MDF板(中密度繊維板) 600円~

メリットデメリット
ホームセンターで安価に手に入る、入手性良

サイズ、厚みの選択肢が多い厚みが一定で精度が良い
保存方法が悪いと反っている
薄いと反りやすい
両面テープが若干付きにくい

私が参考にしている米OPENBUILDSでもMDF板が推奨されており、実際一番使い勝手が良いです。
傷ついても取り換えがきくので最初はMDF板からスタートするのがオススメです
ホームセンターで縦置きされているものはたまに反っているので購入時は気を付けましょう。

分厚いMDF板一枚でもテーブルになりますが、先人たちは12mm厚のMDFを二枚重ね、その上に捨て板を載せています。


ベニヤ板、合板 1,500円~

メリットデメリット
ホームセンターで安価に手に入る

カットサービスで任意サイズで買える
厚みにばらつきがある
両面テープが付きにくい

MDF板よりもさらに安価に手に入りますが、販売最小サイズが大きい場合が多いです。MDF板よりも反りにくい気がしますが、同じ板でも場所によって厚みに0.2mmほどバラつきがあります。木工用の大型のマシンにはちょうど良いと思います。


コンパネ(コンクリートパネル)2,500円~

メリットデメリット
ホームセンターで安価に手に入る
カットサービスで任意サイズで買える
両面テープの食いつきが良い
厚みにばらつきがある
塗装が割れることがある

通常はオレンジ色塗装。ベニヤよりちょっと高い程度の価格で、ベニヤの表面に塗装がされています。
両面テープの食いつきがよくなっています。厚みにバラつきがあるのはベニヤと同様です。
強力な両面テープで乱暴にはがすと塗装が割れたので強度がとても強いわけではなさそうです。


アルミ板 7,000円~

メリットデメリット
頑丈で寸法精度が良い
たわみにくい
両面テープの食いつきがよい
テーブルプローブがしやすい
テーブルを加工しにくい
入手性が良くはない
加工失敗時のダメージが大きい
重い

アルミ板の切り売りをしているところがあれば入手できます。取り付け穴を自分で開ける必要があるのでテーブルとして完成させるのに苦労します。厚みの精度は木材よりは良いですがバリのせいかマシンに対して0.2mm程度高低差がありました。
通電するのでテーブルプローブができましたが、マシンに対して水平になるように削れる木材の方が手軽かもしれないとも思いました。


アルミフレーム 5,000円~

メリットデメリット
溝を使ってクランプしやすい
頑丈で寸法精度がよい
両面テープの食いつきがよい
サイズが決まっている
規格が決まっている
テーブルを加工しにくい

小さく安価なCNCキットは平たいアルミフレームをテーブルとして使用しているものを見かけます。
溝の規格が決まっており、私が使用している部品とは合わないので使用したことはありません。


マシニングセンター用既製品 300,000円~

メリットデメリット
頑丈で寸法精度がよい
クランプをしやすい
両面テープの食いつきがよい
べらぼうに高い
テーブルを加工しにくい
本当に高い

工作機械の部品も一部購入できるので既製品を使う選択肢もあります。
精度を突き詰める場合は使わざるを得ませんが、私の使う部品群ではほかの全部品よりも高くなるので使用していません。


C-BeamMachine剛のテーブル例

C-BeamMachine剛の稼働範囲はホームセンターで購入できるMDF板サイズに合わせて約X600mmY300mmとなっています。下図のようにφ5mmの穴とざぐりを開けマシンに取り付けると真ん中にテーブルを取り付けることができます。

加工範囲外にクランプを取り付けて材料を固定する場合などはX600Y300より一回り大きい板を用意してください。
Z軸の間が約787mmなのでX軸方向がこれより大きいと載せられなくなります。
Y軸方向に制限はありませんが、テーブルが大きいとその分加工時にマシンからはみ出てきます。
固定用の穴の位置をテーブルの中央からずらす、Z軸の取り付け位置を160mmからずらすことではみ出具合を多少調整できます。

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