IR ProbeによるZプローブ

自作CNCのテーブル補正をする際、アルミテーブルを使う場合通電するのでタッチプローブ式で実行できていました。
でも実際はMDFテーブルを使うことが多いのでMDFでどうにかテーブルをプローブできないかと調べていたところ、光学Zプローブを見つけたので試してみました。

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IR Probeとはなんぞや。仕組みなどの確認

メーカー側で明記されてはいませんが、赤外線を観測するセンサーを使っているので
IRは赤外線:infraredを指しているはずです。

今回使用するIR Probe(Duet3D)は2つの赤外線LEDと1つのセンサーが搭載されており、
2つのLEDからの赤外線の反射の違いから距離をとっているようです。

商品写真にあるように、コネクタとピンが付属しているだけなので、自分で端子を作る必要があります。
電線も自分で用意します(3本必要)。

今回使用したIR Probe

メーカー情報を辿っていくと、開発者の濃いブログが出てきました。
販売店で書かれていない情報はこっちに載ってそうです。回路図やソースコードもこちらから確認することができました。

配線と設定


IRセンサー基板の VCCGNDOUT ピンをDuet3基板の IO プローブ コネクタの 3.3VGNDIN にそれぞれ接続します。実際のDuet3基板のピン並びはIN3.3VGNDなので順番を入れ替えてコネクタを作る必要があります。
Duetの設定はM558でZプローブを定義しますタイプPは8を使います。
記述例

M558 P8 C"io5.in" H10 F300 T1800 
M558パラメーター

P〇:Zプローブのタイプ
C”〇”:入力ピン
H〇:プローブ高さ(ここまで下がってセンサーに反応が無かったら失敗扱いとする
F〇:プローブ中の送り速度、F900:200と書くと2回目はゆっくりになる
T〇:プローブポイントへの移動速度、1点プローブの場合影響なさそう
===========以下は任意=============
K〇:プローブ番号、いっぱいプローブ付けてるとき用
R〇:移動から実行までの待機時間、動作安定化用
A〇:1カ所につき何回プローブするか、Aなしの場合1回
S〇:複数回プローブする場合の許容値
B〇:ヒーターオフ設定

うまく動作すれIRプローブの下に物が来ると赤く光り、コンソール画面上でもプローブの値が変わります。

トリガー距離、材料など

出荷時にセンサーから2.5~3.5mmのいずれかの高さでトリガーされるように検品されているそうです。
この位置はや材料の表面によって多少変化し、感度はLEDを回転させることで調整ができますが自己責任なのと大きくは変更できないです。トリガー距離は2.5~3.5mmのものと割り切って使うしかなさそうです。

赤外線の反射を見ているので反射面の質感によってトリガーされる高さや精度が変化します。
公式では明るいアルミや鏡は適切ではなく、アルマイト処理済みのアルミはOKとなっています。
実際に試してみたところマシンフレームのアルミ材、MDF、木材、ゴム、コンパネの表面は問題なく動作しました。
MicrosoftSurfaceのキーボードのマットな部分だけなぜか反応しませんでした。

材料使用可能かどうか
アルミ(アルマイト処理)
アルミ(鏡面)
MDF板(中密度繊維版)
ベニヤ板
コンパネ板
光を反射しないマット面×
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